スーパーの会話にて、どっかの叔母さんが店員さんに
「ほら、テレビでCMやってる
[おいしい牛乳]ってどこ?」
「ああ、これですよ。
明治の」
「えー!?これっだったかしら、テレビでやってるのと違うよ。ほら、新しいの!」
「さて・・・、あったかなあ?」
その会話を小耳に挟みながら、「それは
森永の[おいしい牛乳]だよ、おばちゃん」と教えてあげたい衝動にかられましたが、まあそんな義理も無いので止めときました。
その会話、ちょうど[森永おいしい牛乳]が発売された頃の話で、大々的にテレビCMが流れてたので、おばちゃんも一度飲んでみようと思ったのでしょう。
森永乳業創立以来初めての牛乳のCMだったそうです。ブラウン管の中で「おいしい」「おいしい」と言ってました。
おばちゃんの気持ちは良く分ります。[おいしい]と言われたら、口に入れてみたくなるのが人間の常ですよね。
あんな1000人試飲キャンペーンの模様をCMに使うくらいなら、もっと面白いCM作れば良かったのに。
例えば、もう難くなまでに牛乳嫌いな子が、牛乳好きになるまでをドキュメント風にシリーズ物でやるとかさ。「おいしい牛乳」で牛乳を好きになりましたといった感じでどうでしょう?
***この子が牛乳好きになるまで***
まあ、嘘はいけませんね。
そんな私も発売当時、CMも大脳に刷り込む如く流されていたので、ちょうど飲んでみたい気持ちで満々でした。
あれだけCMするからには、メーカー的にも大プッシュ商品のはずでしょうから、全国的にも試飲コーナーをたくさん開いてあったのでしょう。幸い、近所のスーパーに試飲コーナーが設置してあったのでカップ一杯飲んでみました。
「うーん、どうだろう。どうなんでしょう。口に最初含んだ時は牛乳の味がドッと来るが、後がすっきりしてるなあ。確かに牛乳の匂いとか嫌いな子供には飲みやすいかも。
でもなあ、さっぱりし過ぎて、あんまり牛乳って感じしないなあ」・・・、
っていうのが、正直な感想です。
私は、濃厚な「喉元過ぎても忘れえぬ」って感じの牛乳の方が好きなんで、こりゃどうも「当方の牛乳ゾーン」から少し外れてました。
値段設定が少し高めなのもネックでした。牛乳は毎日飲む消費物ですから普通の消費者としても、通常飲む牛乳の値は押さえておきたいものです。
誰が一ロール数百円のトイレットペーパーで、お尻を拭きますか?
しかし、本当においしいのなら幾らでも払っても構いません。なぜ?って、それが牛乳istの心意気といったものです。
そう、私は牛乳ist。
牛乳にはちょっとうるさい。
一日、一リットルでもどんとこいといった感じです。
さて、この「おいしい牛乳」先ほども述べましたが、「明治おいしい牛乳」と「森永おいしい牛乳」があります。発売時期は森永の方が遅く発売されたようなのですが、「おいしい牛乳」という商品名にに明治がクレームも付けずに、真っ向味勝負を挑んだため、別メーカー品の同じ商品名の牛乳が店頭に並んでいます。
それよりも先に、「森永 おいしい低脂肪乳」という商品が存在していたみたいですけどね。
よく考え付きましたね。「おいしい牛乳」と付けたからには、それだけ己のブランド品に誇りと味に自信があったのか、なかなか今までなかった牛乳の名前です。
同じ商品名で、残りは味のみで選んで下さいといった心意気は大買いです。
しかし、紛らわしい。
冒頭で書いた会話ではないですけど、消費者が混乱する。結構、商品名でクレームなどメーカーに来ているんじゃないのでしょうか?
あとですね、ラーメン屋の看板に「うまい、うまい、うまい、絶品」と書かれている所ほど、逆においしくなかったり、自信の無さの表れだったりします。
この牛乳たちの場合、確かに味はそこら辺の牛乳よりおいしいのに、先ほど述べたように「逆に、おいしくないから"おいしい"って付けたんじゃないの?」と、買う以前に思われてしまうかもしれません。
飲んでみると、そこそこおいしいんですよ。
しかし、買う前にそんなこと思われちゃ、せっかくの味が泣きます。
止めちゃえ「おいしい牛乳」なんて商品名・・・
例えば・・・、
・「おいしいと思える牛乳」
・「おいしいかもしれぬ牛乳」
・「おいしい可能性がある牛乳」
・「おいしいはずの牛乳」
・「おいしい気持ちを込めた牛乳」
・「おいしい人が作った牛乳」
・「肉はおいしかった牛乳」
・「おいしいと思える人には思える牛乳」
・「おいしかったかもしれない牛乳」
・「あと一歩おいしい牛乳」
・「もうちょっとでおいしい牛乳」
・「出逢えなかったおいしい牛乳」
・「五本目ぐらいでおいしい牛乳」
・「賞味期限後はおいしい牛乳」
・「お!おいしい?牛乳」
・「お!おいしい!!牛乳?これ?」
・「お!誰?あんた?何してんの?そこで?それ?牛乳!?」
・「お!電車来てるって!戻って来い!えっ?何?手に?何それ?牛乳!?」
・「お!おいしい!トマトジュース」
・「おいしんぼ牛乳」
・「おいしい風牛乳」
・「おもしろい牛乳」
・「おかしい牛乳」
・「おいしい牛乳(ややうけ)」
・「おいしい牛乳(インパク知)」
・「おしろい牛乳」
・「俺の牛乳」
・「俺たちの牛乳」
・「俺とお前とあの牛との牛乳」
・「おーい、牛乳」
・「思ひ出牛乳」
・「遅れて来た牛乳」
・「白い疑惑」
・「白い運命」
・「白い衝動」
・「白い絆」
・「サーキットの牛乳」
・「夕陽ヶ丘の牛乳」
・「機械じかけの牛乳」
・「にやにや牛乳」
・「にたりにたり牛乳」
・「したり顔牛乳」
・「牛乳のかたまり」
・「牛の血」
・「白い巨塔」
・「一人一本」
・「偶然の産物」
もしくは、もう別のメーカーから・・・
「一番おいしい牛乳」
***”やらせ”無し***
では、シュミレーションしましょう。
仮に彗星のごとく飲料業界に表れた、新企業「ダイナマイト乳業」(こんな会社ないですよ)。
元は滋賀県内でチェーン展開していた、ガソリンスタンド。
ある日、ワンマン社長の突発的な閃きにより、「これからはミルクだ!たんまりみんなにミルクを飲んでもらうんだ!これからは車にガソリン注ぎ込むんやない、お客さんの胃袋にミルクを注ぎ込むんだ!」と皆の反対を押し切り、ガソリンスタンド業から飲料業界に無謀とも言える大いなる一歩を踏み込むことになりました。
そして幾年かの開発の末、第一弾の商品が「一番おいしい牛乳」!
大々的に宣伝しましょう。宣伝費は忘れて。ここの社長はアラブの石油王とマブダチなので、お金は幾らでも無担保で貸してくれます。ちなみに石油王には「まだガソリンスタンドやってるよ」と言ってあります。
いきなりの全国展開へ!
CMキャラクターは今なら旬の上戸彩を使って、CM中に軽く見えてもいいパンチラでも覗かせて話題性も膨らまし、牛乳飲むシーンの最後に「一番おいしい」と言わせます。
「上戸のお奨め!」「彩はこの牛乳しか飲みません」「この牛乳を飲む人が大好き」とでも言わせておけば、若い男性は食いついて来るはずです。
「ぶっかけて!」と言わせたら、もう確実です!!←最悪ですね。
夜中のCM放送権が安い時間に30秒に一回のぺースで繰り返し繰り返し放送。もう深夜番組見てるんだか、CM見てんだか分らなくなるほどに繰り返し放送。
もっと、健康面・おいしさ面をアピールしたVerのCMを奥様番組の合間などに隙間無く流しこみます。夕方のドラマの再放送の時間帯にもしつこい程流します。まるでハウスのCMの如く。野口五郎親子でも使いますか?「小さい子に飲ませても安心」というところをアピールしたり。広末涼子親子でも構いません。
最初はドーンといくはずです。
持続的に刷り込ませて行かねばなりませんので、駅の広告、自動改札機の広告、電車内の広告、雑誌広告、携帯メール広告、ネット広告、テレビ広告、新聞広告、サンドウィッチマン、看板持ち、チェーンメール、レシートの裏、鳩、やれるだけのことしましょう。
そこでわざと「大人気で生産が追いつきません。メーカー側が最初に推定していた出荷数一ヶ月50万ケースを一日で超え、一億ケースに及ぶ発注が殺到しております。理解ある消費者の皆様にご迷惑をかけて申し訳ありません。社員と牛共々連日徹夜で生産・出荷作業をしております。一日でも早く皆様の食卓に届けれるよう誠心誠意で頑張りますので、出荷が追いつくまでもうしばらくお待ち下さい」
話題性バツグンです。
例え、余裕で出荷出来るほど牛乳が余っていようとも、上記の宣伝などを新聞広告やテレビで流せば、「人気がある商品」のように思えます。そしてメーカーのイメージも上がります。
上戸彩に「ごめんね!」とでも言わせておけば、だいたいの人は待ちます。待つはずです。
「全国で品切れ中」「ネットで10倍の値も!」とか嘘もどんどんメディアに流し込みます。朝の情報番組の「朝刊早読みチェック」とかでも取り上げられましょう。
ニーズがどんどん上がるまでじらしてあげましょう。
そこで大量出荷と共に新CMキャラクターに松浦亜弥を使いましょう。同じ「あや」繋がりで。
ここでCMで彼女の新曲を使うんです。「一番おいしい牛乳」のCMはくどい程流れますからね、若い人がこれで新曲のCDを欲しがります。レコード会社もウハウハのタイアップです。
もちろん、歌詞の一部には我が牛乳に関連のある題詞も少し出て来ます。
「ぶっかけて、YEAH−」みたいな。←また最悪ですね。
しかも、恐ろしいことにこの新曲CDはレコード屋で販売予定無し・・・。
どこで手に入るかって?
スーパーなんですよ。
業界初、「CD付き牛乳」
あくまでも牛乳がメインですよ、お忘れなく。
CD付きで525円(TAX IN)です。B面無しの一曲入りですが、まあ、安いって言ったら安いかな。
今年の卒業シーズンに、篠原ともえと松本英子で二人で協力して、いろんなコストを抑えて作り上げた定価300円のCDが、5万枚突破と結構売れましたよね。
CDが売れない、売れないと言われる時代。今までみたいな洗脳みたいな宣伝戦略では無く、レコード会社の新たな努力が見てみたいもんですな、とか言ってみたりして。
逆輸入版を規制したり、コピーコントロール入れたり、ネットを規制しても意味ないんじゃないかな、とか言ってみたりして。
まあ、牛乳の話に戻ります。
ジャケットも五種類ぐらい作って、最低一人五本買わせます。
なんなら、限定版「つんくのコーラスが入ってない」盤も交ぜます。
もちろん、パッと見、どれが「つんく無し」盤か分らないようにしますよ。たくさん買わすためですよ。食玩ブームなんかとっくに終わってますが。
購買の波を高めて波が最高潮になる前に・・・、
業界初、「DVD付き牛乳」
第二弾としてプロモDVDが付いた「一番おいしい牛乳」も発売開始。最近DVDの単価も安いですしね。ガンガン付けましょう。DVD付きでも価格は据え置き525円(TAX IN)です。
さらに、第三弾としてCM製作ドキュメントDVD(disc1)付き「一番おいしい牛乳」を発売開始!
CMの振り付け解説用紙付きです。彼女のCMなら、踊りも入りそうなのでファンやちびっこが踊れるように振り付けを詳しくイラスト入りで解説した用紙を付けます。
第四弾、CM製作ドキュメントDVD(disc2)付き「一番おいしい牛乳」。
第五弾、CM製作ドキュメントDVD(disc3)付き「一番おいしい牛乳」。
第六弾、CM製作ドキュメントDVD(disc4)付き「一番おいしい牛乳」。
第七弾、CM製作ドキュメントDVD(disc5)付き「一番おいしい牛乳」
と伸ばせるだけ、ドキュメントDVDを伸ばしましょう。
もう中身とか、松浦亜弥映ってなくてもいいです。
青い空を10分ぐらい映したものでも構いません。松浦亜弥のそっくりさんの声だけ入れとくとか。
松浦亜弥の写真をカメラでズームインしたり、引いて映したものが延々と1時間入っていたり。
どこかの叔母さんがカラオケで松浦亜弥の歌を歌っている風景を映したのものとか。
同姓同名の方の一日の映像。
牛の出産シーンとか。
「CM製作に関係があったんです」と言っておけばいいです。
上戸彩が映っていても構いません。
なんなら前田健でも構いません。
やろうと思えば、虎舞竜なみにシリーズ化出来ますが・・・、
そこら辺まで行くと、購買意欲の波も下降気味になるでしょうから、次は発売場所を限定して、コンビニ限定!
第八弾として、裏CM製作ドキュメントDVD(盗撮有り!)付き「一番おいしい牛乳」を発売開始。
ここに来て、DVDの制作費+αを加算して、牛乳一本2980円(税別)くらいにしましょう。
さすがに値段で食い付きにバラつきが出そうなので、一応生ものですし賞味期限も長めに記載しておきましょう。
最初から、「ヨーグルト風味」、もしくは「ヨーグルト」と記載するか、「乳脂肪分がスライム状に固まっている場合がありますが、振れば大丈夫です」と記載しておきますか?
断っておきますが、実はここでの「盗撮」は松浦亜弥がハンディカメラでスタッフの作業模様をただ単に撮ったいうものなんですが、そこは黙っておきます。そうとは知らずに期待して見て驚くみんなの顔を想像したいから。
誰も松浦亜弥の盗撮なんて説明書いてませんしね。
いやー、ここまでしちゃうと、さすがに巷では事件発生。
若い人たちがCD・DVD付き牛乳を購入して、牛乳だけ捨てるという社会現象が!
まるで古くは「仮面ライダースナック」のスナック、「ビックリマンチョコ」のチョコ!
「ドキドキ学園」は捨てられもしませんでしたが。
おまけのみの需要に負けて、本来のメインの品が捨てられる始末。
本末転倒!
「一番おいしい牛乳」なのに!!!
川などに大量に捨てられた牛乳の量は半端ではなく、川はいつの間にか真っ白に白濁してしまうことでしょう。
全国各地で「白い川現象」が勃発!
大量の濃厚牛乳は川に捨てられても薄まることも無く、川の流れを止め、炎天下の中さらされ異臭を放つことになるでしょう。
全国各地で「臭くて白い川現象」が勃発!!
しかも、無駄に栄養価が高いせいで、あらゆる虫が湧きます!!!!
全国各地で「虫が湧いて臭くて白い川現象」が勃発!!
白い琵琶湖・・・
日本中が敵になりますね。
マスコミにここぞと云わんばかりに叩かれることでしょう。
ネタが無くなるまで、連日「ザ・ワイド」なんかや「とくばん」で鉄槌を打ち込まれるかのごとく批判されるでしょう。
朝も昼もディープ・スペクターに失笑されることでしょう。
正義ぶらないで下さい。ちょっと自分勝手な皆さんが川に捨てちゃっただけなんです。
台所で、使い終わった天ぷら油を、そのまま流しに捨ててる主婦の皆さんの方が、よっぽど性質が悪いじゃないですか!?固めるテンプルとかあるのに。
記者会見(謝罪会見)で「固めるテンプル」の話をしても誰も聞いてくれないでしょうね。
誰も「一番おいしい牛乳」を買わなくなるし。ましてや、卸そうとする店も問屋も無くなってしまうかもしれません。
大量出荷用に改良したシステムも逆に重みに!
在庫も大量に残ります。
牛も搾ってくれなきゃ、乳が張ります。
国からも内部からも責められることになるでしょう。
逃げ場がありません。
さよなら「一番おいしい牛乳」。
いつの間にか自分で自分の首絞めちゃったね。
さようなら。
確かに味は良かったはずなのに・・・。
***「最初は優しかったんですけど、段々暴力を振るうようになって・・・」***
あの事件から2年・・・。
各県に環境破壊の謝罪の意味でお金もいっぱい取られました。
いつの間にか「公害病」扱いで、あらゆる方・団体の皆さんから訴えられました。病名は「ダイナマイト病」・・・。
売り上げが絶頂期には、牛を眠らせずに乳を絞り上げたせいで、大量の牛が脱水死。多くの酪農農家の皆さんから訴えられました。
白い川は時間をかけ海に流れ、今度は「海苔が取れねぇ、アサリが全滅だ、サザエも取れぇ、アワビも取れねぇ、なんなら水が濃厚過ぎて漁船が出ない。」とまで言われて、多くの漁師の皆さんから訴えられました。
白い川は海を越え、ハングル文字を使う皆さんからも訴えられました。
牛乳にまみれて、飛べない天然記念物の海鳥の写真なんかすっぱ抜かれて、WWFの皆さんから訴えられました。
当時のCMもJAROから、お叱りを受けました。
独占禁止法のガイドラインに引っかかると公正取引委員会の皆さんからお叱りを受けました。
栄養価が高すぎて全国のお母様方から「子供が肥満体系になった」とお叱りを受けました。
CMに起用していたアイドルの事務所からも「イメージが下がった」と訴えられました。
「一番おいしい牛乳」がスポンサーだった多数の番組も打ち切られ、各テレビ局から訴えられました。
従業員も大量リストラ。
度重なる連日の土下座の末、おでこの皮が厚くなってしまいました。
毎日、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判、裁判・・・。
出すものはもう何もありません。
牛乳も出せません。
残りの救いの手は「おもいっきりテレビ」で、みのもんたに「一番おいしい牛乳」を取り上げてもらうくらいです。
あの番組で取り上げられたら、「午後は○○」の「○」の部分は、「午後は馬鹿売れ」「午後は激売れ」「午後は品切れ」となること必至です。
しかし、取り上げれられても、既に鼻っから店頭では販売していません。
今では、「一番おいしい牛乳」はオンライン販売オンリーになっています。しかも、受注生産。
注文があれば、唯一の牛、花子01(ペット)から搾ってパック詰め致します。郵パックで送る現状です。
***「注文が一本来たぞ」***
***「・・・そりゃ良かったね」***
しかも、2年前までは表記は「牛乳」でしたが、今や「加工乳」です。
マーガリン足してます。
第二話もあるんです。
じゃあ、また!