坊主生殺し2>
茶風林声出しすぎ。
いろいろ声出しすぎ、茶風林。
それはどうでもいいんです。
坊主好き?
坊主頭のことじゃなくて、袈裟着てる坊主。
私嫌いアルヨ。
「好き?」と訊かれて、「私って超〜坊主好き〜って感じ、数珠を手足と首に巻いて毎晩うなされながら眠っているの」なんて返事が返ってくることはないだろう。
いいの、いいの、「別に」でいいんだけど、私ゃ嫌いだよ。
織田信長がまだアライブなら、もう一回山ごと焼き払って欲しいくらい。
「まぁ、なにもそこまで青筋立てんでもえーがな、ますみ君」←分からない人は知らなくてもいんだけどね、まあ、青筋立てる程でもないんだけど、嫌なだけ、仏像は好きだけどね。
というのもトラウマからなわけで、これが・・・・。
思い起こせば、あれは当方がまだ小学五年生のときでした。
体の弱かった私は、連日の病院通いの長引く病弱体を按じられ、一回寺ででも見てもらおうということになったのさ。
体調が悪いから、寺に行くということ自体、オカルトチックで、ちょっと突拍子もないですが。
困ったときの神頼み、長引く病弱体、日々ブドウ糖から始めさまざまな投与液のフルコースを打つだけでいいものだろうか、生まれついての弱小体という以外にも、何か因縁めいたものが裏にあるんじゃないかなと思われた私は寺に連れて行かれたのであった(笑)
すがれるものなら、坊主のハゲ頭にもすがってみよう。
そのテで、まあ有名な所に連れて行かれましたわ、供養上手と申しましょうか、説得上手と申しましょうか、そんなところ。
山間の山の手の山の麓の山の淵、とりあえず寺を置くなら絶好の寺設置場所、こんな所に寺が建たなきゃ、狸が代わりに住みますよって場所に行きましたさ、下界が遠い、文明が遠い、なんなら【おいしい水】でも湧き出てんじゃないかなと思われる山中。絶好の場所に絵でも描いたかのように滝まで流れてやがんの。
そんなお寺で、お姿を現しはったのが、つかみ所のないような印象だった住職さん。
まぁ、話飛ばします。
それから住職さんの皺おちょぼ口から、出たセリフが
「水子の霊が憑いている!」
当時当方、小学五年生、子供中絶経験無、風呂付日当良好。
でも、藁にもすがる状態だったため、真っ直ぐにそれ受け止めちゃいました。
住職さんの背中からオーラが出ていたか分かりませんが、こちらがすがりつくモードに入っていたため、見えないものが見えていたかもしれません。後光がピカピカってさ。
「この住職さまは嘘付かない、この病弱体直して下さるだ。んだ、んだ。んだべあ。」
それから日にち改め二泊三日の供養お泊りの旅。
傷心慰安旅行ならぬ、水子傷心慰安旅行。小学五年生で爆笑問題の田中を知っていたら、「んな奴ぁいねーよ」と突っ込むところですな。そういえば、初めて爆笑問題知ったのは中学生ぐらいに上がってかな、まだテレビなんかに全然出る前で、劇団シャララの舞台のビデオ「笑いの殿堂」にウッチャンナンチャンや出川哲郎と一緒に出てるのを見たのが初めてだったなぁ。今、こんなになるとはあの当時誰も思わなかったろうに。
ダンディ坂野、来年大丈夫かな。ゲッツ!
閑話休題。
寺にお泊り。田舎の学校の修学旅行じゃあるいし。
修学旅行なら、まだ団体さんさ、知った顔多数で様々なイベント期待しちゃって、お楽しみ度も高いでしょう。わいわいがやがやとね。
しかし、こちとらぁ、ぽつねん。
お楽しみ度ゼロ!寺に居るだけで恐怖度高し。しかも何か憑いてまっせとまで言われている、トイレもおちおち出来やしない、「トイレ中も誰かお子さんが見てるの?」なんて疑心暗鬼恐怖心植え込み刷り込み状態の病弱体小学五年生ぽつねん。
修学旅行とこちらの水子傷心慰安旅行とでは、地球の軌道上の静止衛星サテライトの位置と室戸深海水吸引パイプの先端の位置ぐらい距離があります。
まあ、そんな旅行内容、想像して頂いたら、ご想像通りですよ。
初日は昼過ぎから向かいましたがね、
お経唱えられたり、こっちも初見のお経読んだり、背中叩かれたり、揺らされてみたり、織田無道を始め、そんな霊魂排出マニュアルでもあるのかいなみたいな作業、織田無道も捕まったが、なんなんでしょうね、効果ありそうだから?当時、織田裕二すらも知らなかったけどね。
まぁ、それはいいですわ、気分悪くなったけどさ。
いろいろ終わって夕食だと言われました、そこで問題は食事なわけで、メインのオカズがねえ・・・。
「ママー、晩御飯なーに?」
「生キャベツよ!」
そんな会話、一般家庭では出てこないだろう。
お寺だ、精進料理だ、お坊さん達は肉や魚など生き物の肉は食べちゃいけないという知識はアニメの【一休さん】で得ていたので知ってはいましたが、メインが何も手を加えていない生キャベツ。
まるでダイエット学園よろしく、生キャベツとご飯と薄い汁と醤油、以上。
こちらも少し修行モードで泊まりに行っていたので、こんなもんかなと渋々納得しましたが、そんな食事すぐ済む。味わいようがないったらないの。
葉っぱの上で生まれたことないので、そんなに生キャベツのおかわりを体が可能なわけでもございませんでしたし。
他にお坊さんらと一緒に食べるのなら、みんないるから我慢できるようなもの、ところが一緒にいるのがお手伝さん一人のみ。
坊主はどうした、坊主は?エニイ坊主エルス?
お堂でぽつねん生キャベツ、仏像に見つめられながら。
食べ盛り伸び盛り育ち盛り、体悪くたって腹は減る。
また、食事時間が早いしね、夜の帷なんか下りちゃいないだろって時間だったし。元気な子なら、こんな時間に夕食なら、食べた後にまた遊びに出かけれるぞって感じの外の明るさ。
お菓子も何も食べ物を他に持参していなかったために、すぐにお腹が減りあげた上に困りあげた。あげれるものなら天ぷら揚げたかった。
周りには何にもない。あるのは澄んだ空気と水のみ。食べれる木の実と食べれない木の実を分別出来るだけの知識もありゃしない。ないない尽くし。キャベツならザルにいっぱいあったでよ。
しょうがなく、することもないので、寺の周りを空腹を埋めるかのようにふらふらしたりしてました、充分明るかったし。
しかしですよ、坊さん達が住んでいる、離れの建物の周囲に近づいたときに私はある匂いを嗅ぎ付けたのですよ。
焼肉だ、焼肉の匂いだ!!
あきらかに肉が焼かれる匂いでした。なんなら煙も上がっている。
匂いに誘われるまま、離れの方に行きました。
裏口が開いていたので、近づいて覗いたところ、頭つるつるの人たちがビール飲んで焼肉している光景が目に強烈に飛び込みました。
悪魔の力があれば
「デビィーーーーーーーール」
と叫んでいたでしょう。
まぁ、そんな力はありゃしなかったので、素直に悔しがりました。
【一休さん】嘘じゃん。
さっきの生キャベツは、この焼肉の付け合せじゃん。
山奥で屈辱プレイ。焼肉に呼んでとは言わないけど、お坊さんに対する立派なお方みたいな、幼少からのイメージを吹き飛ばすのに小学五年生には十分でした。
結局、恨みはつのれど、どうすることも出来ずにその夜は空腹に耐えました。
翌日、坊さんから何を説かれようが、全てスルーさせました。
この寺の近くに流れる滝のように、何もかも、するするさらりさらり。
ある意味、一夜で悟りを啓きました。
朝ご飯も昼ご飯も、生キャベツザル盛だったけども。
私を開眼させるために「こちら焼肉、君生キャベツ」修行を執ったとは思えません、開眼される必要もないしね。
お坊さんが肉や魚を食べるなとは言いません、ついでに税金払えとも言いません。
だがしかし、生キャベツだけを食べさせられた、すぐ後に焼肉食べる坊さんたちを見せ付けられたら、そりゃトラウマになりますよ。
その日に私は山を降りましたよ、道路沿いにトラックの運ちゃん相手のドライブインと申しましょうか、定食屋があったのを思い出して下ったのよ。
カツ丼うまかったぁ・・・・・・。
それからね、山にまた登ったよ、元気だよ、水子なんて、「んな奴ぁいねーよ」、弱い奴はぅよわい、強い奴はちゅよい、それだけ、弱い奴だますなよ、いるのは腹の虫だけさ。
帰ったら、また生キャベツザル盛が待ってたよ。でも、その夜は屈辱にも負けずに寝れたよ、ドライブインでお菓子も買ってあったしね。
悟りなんざ要らない、弱い体は要らない、水子はもっと要らない。
結局、三日経ったのち、住職曰く水子は除れたという。「んな奴ぁいねーよ」。
坊さんは弱い人間の集いか?否か?しょせん俗世界から逃げられぬ人間だ。スクーター好きか?坊主。
織田信長生まれ変わらないかな(笑)
しかし、あたしゃ、空腹を埋めるため、いや、生きるために少し必死になれたよ、カツ丼うまかった。それだけでもよしとしよう、その後、体は相変わらずでしたけどね。
三つ子の魂なんとやら、お前百までわし九十九まで、今でも引きずるトラウマも残ったしね。
今は体丈夫だよ。
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