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 タイトル  first update
スーパーホラー大会・後編 2004 12/10
   


 二本目の「ドーン・オブ・ザ・デッド」が終わった。

 オールナイト上映関係なく、「ちゃんとエンドロール終わるまで館内から出さないよ」といった単館系のこの映画館の雰囲気に押されエンドロールまで観ていたんだが、エンドロール途中からまた映画の続きが始まった。ゾンビがいた土地から船で逃げた人々のその後が流されたのだ。

 何も知らずに普通にエンドロールが始まって「ああ、終わった」と早めに館内から出た人は大損してしまうところだ。
 DVDで観ていたら、エンドロールが始まった時点で切ってしまってたかもしれない。危ない、危ない。

 このエンドロールから始まる続きを観るか観ないかで、この映画への捉え方がえらく左右されてしまうんじゃないかな。こりゃまた別の意味で怖いことしてくれたな。



 小憎いな「ドーン・オブ・ザ・デッド」こと「死者の夜明け」ったら。
 誰の上にも夜明けは来る、館内も夜明けのように明るくなり当然脱兎のごとくトイレに向かう、少し時間が経つとまたすぐ長蛇の列がトイレに出来ていた。

 改めて言うがロビーは狭い。

 休憩のはずだが大して精神的には休憩出来ない。喫煙コーナーなどなんとなく設置しているが、高さ20メートル・長さ20キロメートルの壁かなにかに囲まれているわけでも無く、当然戦後高度成長期の時代の日本を象徴するかのごとく煙はモクモクとロビーに立ち篭る。
 しかも頬が熱さと腫れを増している気がする。
 触ってはいけないんだろうが、上映中ぷにぷにと腫れた頬を触って、その弾力と異常さを堪能していた。
 うーん、原因と結果が目に見えて痛みと共に表れている。
 痛み止めを飲んだはすだが歯茎が痛みを伴なって来ている。もう一つのホラーがここに迫りつつある。

 さて次の映画「アンデッド」だが、この映画に関して私は何の予備知識も無い。
 ゾンビ編の大会なんだからゾンビが出てくるんだろうけど、普通に大量のゾンビに囲まれて戦うといった映画なんだろうか?
 少しでも知っておこうとロビーに張ってあるチラシを観るが、さっぱり分からない。
 「どこそこの映画祭にたくさん出品したんだよ」「こんな怖いの見たこと無い」「有名な俳優なんか一人も出てないよ」「スピエリック兄弟っていうのが作ったんだよ」「ヨン様は出てこないよ」。
 うーん、やはり分からない。
 とりあえずスピエリック兄弟っていうのが作ったっていうのは理解した。
 そうか、兄弟でホラー映画作っちゃったか、親御さんの教育が間違ったな。

 アナウンスがこの映画のパンフレットだけは手に入る(余っている)ことをしきりに告げている。

 ・・・もしかして、この映画・・・。




 ●三本目:「アンデッド」






 全く予備知識の無い映画を観るというのは、なんだか玄関のチャイムが急に鳴ったときや、携帯では無くナンバーディスプレイ機能が付いてない家電が鳴ったときのような感覚に近い。
 まるで急な訪問者に対してドアを開けたり、受話器を上げたりするのに近いと言える。

 普段映画を観に行ったり、ビデオを観たりするときは、予告編なりパッケージの裏の解説を読んだりすることによってだいたいの骨組みは見えるはずだ。

 この映画に関しては誰と誰が、何処でどんな感じでみたいな情報が全く無い。ホラー大会ゾンビ編なんだから、ゾンビが出てくるのは絶対だろうけど・・・。



 で始まったこの映画・・・、
 最初、見始めたときは有名ホラー映画の並んだホラー大会のプログラムに入っているだけあって、なかなか怖いものなんだろうと思ったけど。

 「?・・・あれ?今のところ笑っていいのかな?」というシーンが当初からあった。でもホラー映画だよな。
 ホラー映画だから笑えたらおかしいよな。
 でも、あれ?場内から失笑が聞こえる。
 狙ってる?狙ってこんなシーン作ってる?
 あきらかに場内が笑いで沸いてる。
 ホラー大会のプログラムに組み込まれている作品なのに笑える。

 全体的に流れる「ゆるい感じ」。
 隠し切れない「チープさ」。
 全然知らない「キャスト」。
 枠から外れた「ストーリー」。
 ・・・・・置いてけぼりにされそう。


 違う!これ違う!今回のラインアップに入っているハリウッドホラー映画どもと一線引いてる。置かれている階層が全然違う。低予算で笑いやアクションなど様々な要素を詰め込んだC級ホラー映画だ。

 ネタバレにはならないと思うので言っちゃうけど、





       ゾンビと宇宙人が出て来る。




 ありえない、欲張り過ぎ。
 ハンバーガーと牛丼食べるようなもん。

 ちなみに何事も無かった平穏な田舎町からゾンビが現れてしまう理由だけど、空から降る隕石に当たるとゾンビになってしまう。もう一度言うね、隕石に当たるとゾンビになる。
 仲間を増やす方法とか、急所が頭だったりするところは通常のゾンビ映画と共通設定となってる。
 でも最初に村民たちがゾンビになるのは、急遽空から無数に降って来る隕石に当っちゃうから。

 真剣にホラー映画を観ようとして観始めた人は怒るかもしれない。

 「しょうがないね、あの兄弟はこんな映画作っちゃって、欲張りなんだから。でもしょうがないか、あの兄弟は昔から犬の卵とか探してたし・・・」

と広い心を持って観賞するのがお勧め。コメディとまでは言わないけど、お馬鹿映画の部類に入るものだと思う。


 設定もめちゃくちゃなんだけど、細かいネタをたくさん仕込んでるのも見受けられる。
 ゾンビのパンチ一発で頭をくり貫かれた人間のその空洞から向こうの景色が見えたり、上半身のみ倒されたゾンビの下半身がちょこちょこと動くシーン入れたり(それを二回も)、ゾンビが倒れるシーンも起き上がるシーンも同じフィルムを使ってる(それも何回も)、人間同士の会話も笑いを狙ってるとしか思えない。
 倒れるのも起き上がるのも同じフィルムなおかげで、キョンシー以来の体を伸ばしたまま垂直置きの映像が見れた(起き上がるシーンはもちろん早送り)。手抜きなのか、狙いなのか?
 時々何を考えてるの?といった無駄なシーンを長く写したり、何の意味があるの?ってカットも入ってたり、チープなメイキャップのゾンビがいるだけで笑えたり、主人公のアップばかり映すなよって観てて辛くなるときもあるけど、C級映画として楽しんだらいいんじゃないだろうか?


 そして何よりも主人公と行動を共にするマリオンという変人農夫のガンアクション。





 ゾンビと宇宙人とマトリックスが一緒に観れる。




 ゾンビ関連の映画を何本か観てきたけど、ここまで飛ぶわ、回るわ、二丁拳銃だわ、変なところから拳銃飛び出して来るわ、改造ライフル使ってるわ、一人だけ裸になってるわといった人間出てこなかった。
 バイオハザードで出てきたスワットでも、オーバーオールの隙間から拳銃出したり、壁からぶら下がって発砲したり、魚のゾンビに鼻噛まれたりしなかった。






 低予算をカバーするものといえばなんだろうか?大きな商業映画に抵抗すべくイマジネーションだろうか、ありえる限りのオーバーアクションだろうか?もう思い切って開き直ることだろうか?
 この映画で知らされたよ、
ガッツとパッションとおバカなのね。

 知らされたよ、予算の面をカバーするのは俳優の
怪演だということを。



 このマリオンがゾンビも宇宙人も女の主人公もすべてかっさらって存在感をスクリーンから放っていた。画面から匂いが出るくらい。
 演技は一本調子で本気かと思うような変人だし、顔がアップになる度に付け髭のちゃちさが気にかかるし、なんか顔もホームベース型ででかいし・・・。

 アクションだけど、無駄にスローモーションで大げさな空中回転とか反り返りとかするんだ。如いて言えばマトリックスのネオは劇中で銃をガンガン撃ちながらジャンプしたり回転したりするけど、それをゾンビ映画で再現している。
 だがしかしだよ、マトリックスは相手側もエージェントも矢次にガンガン撃って来るから、避けるために飛んだり跳ねたり反り返ったりしたわけで、今回の映画の相手は改めて言うけどゾンビ

 ゾンビが銃を撃って来るか?

 否。

 ゾンビの攻撃は早いのか?

 否。


 
つまり、そんなオーバーアクション要らないんだよ。


 回転とか要らないはずなんだけど、やってるんだよ、このゾンビ映画ってばさ。ありえない撃ち方の連続ですよ。




 館内にあった映画のポスターやチラシで、この映画の概要が掴めないはずだよ。普通のホラー映画じゃないもん。ホラー映画かどうかも怪しい。なんだろう、お正月の真夜中とかテレビで放送したらいい感じかな。

 タイトルは「マリオン」にしちゃいなよ。

 暴れるだけ暴れて存在感を醸し出して最後映画のオチでは●●●になっちゃうし。●●●の部分はDVDででも観て確認してみたらいかがでしょうか?


 お勧めとかどうだか訊かれたら・・・、テレビで放送したら観るかな?自主的にはレンタル屋にこれのために足を運んでは永久に観ない気がする。



***「手品師なんですか?」***







 
 ●四本目:「フレディVSジェイソン」







 さて、オールナイトでホラー大会もいよいよ残すは最後の「フレディVSジェイソン」のみになった。既にビデオで視聴済みなんで大してドキドキ感も期待感も一切無い。ここで帰ってもいいんだが、それもなんだか味気ないし、まず電車が無い。
 こんなこと言っては制作側には失礼だが、電車が出るまでの時間を潰させてもらおう。
 それにしても不思議なことに眠気は全然無い。目は覚める一方だ。それもそのはず、頬に熱い新たな命の鼓動を感じる。
 そうだね、熱き鼓動とでも言おうか、熱き血潮が頬で脈打っている。

 ・・・痛い。
 持参したオニギリは食べれないが二本目のセブンティーンアイスを投入しよう。冷やしたい。この熱き血潮を冷やしたい。
 今更ながら「フレディVSジェイソン」でこの痛みが忘れられようか?気のせいか口の中のチョコマーブル味のアイスクリームの溶けるスピードが早い。




 この映画についてだけど、どうでしょう?今更ながらこのホラーヒーローのお二人方の説明は必要かな?もう日本でもよく知られた有名なお二人だよね。
 「エルム街の悪夢」シリーズに登場し、その鋭利なナイフ爪と変身能力で人々を襲撃したフレディ・クルーガーと、「13日の金曜日」シリーズで、キャンプ場の若い男女を震え上がらせた殺人鬼ジェイソン・ボーヒーズ。
 両者ともホラー映画では長寿に続編が作られた作品だね。「パペットマスター」や「デモンズ」、「ハロウィン」なんかよりも作品数多いし、「エルム街の悪夢」は向こうでテレビでのシリーズものにもなった。
 「エルム街の悪夢」の一作目にはジョニー・デップも殺される若者役で出演している。



***「帽子が変わると印象も変わる」***



 私も小さい頃はこの二人それぞれの映画に怖がらされたものだ。観なきゃいいものを、どうしてもビデオ借りてきたり、時代からか当時はテレビでもよく放送していた。

 トラウマもたっぷり刷り込まれた。フレディ氏には眠ることへの恐怖感を埋め込まれ、ジェイソン氏には電ノコは人を斬る道具という誤認識をさせられた。トラウマとはいえ、今でもそれらを引きづっていたら私は病人になっちゃうんで今は大丈夫だ。
 「眠ったらフレディに殺されちゃうよ!」
 「ジェイソンが木陰の影から見ているよ!」
 「犬のベートベンの続編が止まらないよ!」
 「ゴーストバスターズの3はいつ公開なの?」
 「誰か!彼を!マコーレー・カルキンを保護してあげて!」
とか言ってないから大丈夫だ。


  にしてもこの映画、「狙ってません!」とは口が裂けても言えない制作側のこの魂胆。ホラー映画の追い込まれようを表している象徴のような組み合わせだ。後日、「エイリアンVSプレデター」も公開されるけど、どうしたハリウッド?
 まあ有名ホラーヒーローが二人いっぺんに同スクリーン内に登場、しかも対決までしてくれると来たもんだ。話題性もあるし、なんならお得感もある。そりゃある程度客を呼べるよね。

 でも彼らが絶頂期だった時代は当に過ぎてしまっている気もちょっとする。去年公開された13日の金曜日シリーズ10作目に当たる「ジェイソンX」もひどい出来だったしね。もうなんか、怖いとかじゃなくてただのお化け屋敷のアトラクションの一つみたいな存在に落ちてしまってる感が否めない。

 「ケリーVSブッシュ」でホラー映画作った方が観客呼べるかも。「金VS金」親子ぐうたら対決でもいい。
 いや、同じシリーズものとして日本でいえば、「寅さんVS釣りバカ」が妥当かな。片方100%CGになっちゃうけど。


 映画の内容ですが、フレディがジェイソンが夢の中に入って彼を操って、現実の世界の若者供をまた惨劇の餌食にしちゃうぞと思ったら、ジェイソン君がいうこと聞かずに自分勝手に殺人を始めたから、「おらの獲物を取るでねぇ!」と対決が始まるといった内容となってる。
 「俺が殺す!」「いんや、俺が殺す!」と、ハタから聞いていたら「おまわりさん!有無を言わずに両方射殺して下さい!」と頼んでしまいたくなる醜い争い。
 人間の生きる権利なんか無視で、殺す権利の奪い合いなんだな、これが。

 相変わらず若者狙いだしね。若者を狙う理由は今までのシリーズ観て来たら分かるけど、年数も経ったんだしターゲット変えるかなんかしてさ、山で増えすぎた鹿とか、海で溢れかえっているクラゲを処分するとかの方向に方針を向けてほしいものだ。


 観た感想だけど、まあ近年溢れている「スクリーム」「ラストサマー」「ルール」みたいな、米国ティーンに人気の若者を起用したパニックホラームビー的な作品で落ち着いてしまっちゃってる。
 これもまた時代のせいなんだけど、規制のせいで昔のように露骨で残酷な殺戮シーンがあまり撮れなくなったから、スプラッターシーンもタバスコのかかってないピザのようだ。なんならケチャップのかかってないオムライス。

 昔、「エルム街の悪夢」シリーズ観てたころはフレディの殺人の方法の自由度にも驚かされたものだ。想像の枠超えたアメージングな殺戮の名場面がたくさん作られたっけ。なんか書いてて不謹慎な文で嫌だなあ。
 特に印象に強く残っているのは若者たちがピザの具のミートボールか何かにされて、あの鉄爪で刺されて食べられちゃうってシーン。ミートボールが数年食べれなくなった。そのトラウマは今でも少し残っている。
 ミートボールが時々、顔に見える(笑)。


 久しぶりに大々的に宣伝されたホラー映画のこの作品だけど、改めて観てもなんだかもうコメディ映画観ているかのようだ。狂ったようなコメディ映画ならさっきの「アンデッド」があるけど、これは真っ当なドタバタ喜劇に往年の看板役者二人が出演している感じ。

 そうだ、これはきっと「てなもんや三度笠2004」なんだ。

 藤田まことと白木みのるのコンビが復活したような作品だ。当時の面白味などは含んでいるけども、さすがに歳には勝てないね、みたいな作品に収まってる。


 私的にはもういいかなって感じで、お腹いっぱい。例え土曜の夜にフジか、金曜の夜に日テレか、木曜の夜にテレ東で放映されても観ない。あっでも「フレディVSジェイソン2」とか作られたら、なんやかんや言っても観ちゃうかもしれない。

 もう福袋のように詰め込んでしまえ、

「フレディVSジェイソンVSロッキー
「フレディVSジェイソンVSピングー
「フレディVSジェイソンVSトムVSジェリー
「フレディVSジェイソンVSドルーピー
「フレディVSジェイソンVS故ウォルト・ディズニー」
「フレディVSジェイソンVSあえてミニーマウス
「フレディVSジェイソンVSヒューイVSデューイVSルーイ」
「フレディVSジェイソンVSキャプテンサンタ」
「フレディVSジェイソンVSブルースブラザーズ
「フレディVSジェイソンVSマイクロソフト
「フレディVSジェイソンVSi-pod
「フレディVSジェイソンVSジャクソン兄弟」
「フレディVSジェイソンVSサミュエル・L・ジャクソン」
「フレディVSジェイソンVSミラ・ジョヴォヴィッチ
「フレディVSジェイソンVSアンジェリーナ・ジョリー
「フレディVSジェイソンVSブライド」
「フレディVSジェイソンVSR2-D2
「フレディVSジェイソンVSスポンジボブ」
「フレディVSジェイソンVSゴッジィラ」
「フレディVSジェイソンVS光る眼VS誰の眼?VS俺の眼」
「フレディVSジェイソンVSおすもうさん」
「フレディVSジェイソンVSおとなりさん」
「フレディVSジェイソンVSおむかいさん」
「フレディVSジェイソンVSおにかいさん」
「フレディVSジェイソンVSおさかんさん」
「フレディVSジェイソンVSおてもやん」
「フレディVSジェイソンVS向井さん」
「フレディVSジェイソンVS向田さん」
「フレディVSジェイソンVS向田さんのだんなさん」
「フレディVSジェイソンVS知り合いのおじさん」
「フレディVSジェイソンVS知らないおじさん」
「フレディVSジェイソンVSどちらさん?」
「フレディVSジェイソンVS玄孫」
「フレディVSジェイソンVSVS(婆ーさん)」
「フレディVSジェイソンVSレザーフェイスVSゾンビVSマリオン」
「フレディVSジェイソンVSマイケル・ムーア」
「フレディVSジェイソンVSジョンソン&ジョンソン」
「フレディVSジェイソンVSお客さん

 何でもありだね。ホラーじゃないし、詰め合わせは単発では人気が無いという裏返しのようで嫌だ。福袋の中身はいいものばかりじゃなし、「誰も着ないよ」って感じの服も入っちゃってる。福袋を買うまではワクワクしてしまうけど、実際買って帰ると「こりゃなんね?私の右手にぶら下がってる真っ赤で恥ずかしいデザインの袋はなんなのね?」と冷めてしまい、空けて中身を確認し終わると悲壮感さえ漂う。
 でもそれまでのワクワク感、また騙されるかなと知ってて騙されるのも大人の余裕で楽しいのかもね。











 さて、ドタバタ劇のようなホラー映画も終わった。流れていくエンドロールに対して、大会の終わりへの名残惜しみなど私には全く無い。頬が痛い(結局、これだ)。

 これでね、この映画が痛みを忘れさせてくれるくらい怖ければ良かったんだけど、ただのビックリさせ映画だからね。しかも一度観てるから、ビックリさせようとしているシーンのネタは既知してるから驚きもしない。
 場内も明るくなり、いそいそと足早に会場を出る。一基しかないエレベーターにみんなが集中して鬼のように混むのは猿にでも分かる。
 別に席に残って「怖かったね〜、あの映画」と観賞に浸る相手もいない。たった一人のオンリーワンでホラー大会に来ているんだから、終わればそそくさと帰る。


 ホラー映画をこれだけ立て続けに観て思うんだけど、ホラー映画とコメディ映画って紙一重なんだなあ。
 一見すると両極端な位置に属するものかと思えば両者って強く「怖がらせたい」「笑わせたい」のみに作品の軸を置いているから、ストーリーとかある程度無茶苦茶でも、なんなら出てる人もある程度無茶苦茶でも、結果的に観客の極端な感情を引き起こすことが出来れば万事OK的みたいなところがある。
 主人公の行き交う淡い恋心が見え隠れしたり、赤子の血を吸う鬼でさえ思わず泣いてしまう心温まるヒューマンドラマのようなところは要らないんだよね。
 無理にそれらに似た要素を入れてしまうとどうも「ホラー」「コメディ」として作品が濁る気がする。それらを含みたければ、幕の内弁当みたいな作品に任せればいい。ウッディ・アレン好きだけどね。


 現実では絶対「ありえないよ〜」的なところを怖れたりすることの出来るホラー映画って、実はコメディと酷似しているのではと少し思った。ホラーヒーローって「ボケ役」でもあり「ツッコミ役」でもあるんだな。でも彼らにツッコまれたら殺されるけどね(笑)




 ああ、頬が言う。
 既に新たなブレインでも搭載してしまったような頬が低い声で言う。

 「はよ帰って、わしを冷やせ・・・」

 ははー、仰せのままに。言われなくても痛いのは私だから。

 新文芸座が入っているビルを抜け出ると朝はやうやうと明けて来ていた。

 駅までの道には大型台風の跡がしっかり残っており、やけにいろんな物や枯葉が地面を覆っていた。特に変な形に曲がり上げたビニール傘が印象的だった。「私襲われたの・・・」と言っているようだった。

 昨日は確かに大きな台風が街を襲ったようだ。被害はどれくらいの規模だったのだろう。こんな台風でも相変わらず修理のために屋根の上に上ったり、釣りに出かけたりした輩がいたのだろうか?

 またアナウンサーが本領発揮といわんばかりに教えてくれるだろう。



 テナントビルの間を抜けて池袋駅前に出る。
 昨日は土曜日だ、朝まで遊んで疲れて駅に向かう人もちらほら、サービス業などでは仕事に向かう人もいるかもしれない。日曜の早朝に駅に向かう人たち、釣り人・ゴルフに出かける人以外はみんな覇気が全く無い。疲れきった人、疲れに行く人、重い足を引きづって歩いている。

 まさにゾンビのよう。

 振り返ればホラー大会帰りの同士たちがぞろぞろと足を運んでいる。彼らも疲れきってゾンビのよう。
 そういう私もゾンビか?頬の醜態がリアル感を醸し出している。
「♪う〜、う〜、俺はゾンビ♪」どこかから唄が聞こえて来る。

 足をひきづって駅に向かう人々は、「ドーン・オブ・ザ・デッド」でショッピングモールにわらわらと向かうゾンビとどこか似ていた。


 そこで駅前にて、ある光景を目にした。

 同じ蛍光色のジャンパーに帽子を被った人たちが駅前の汚れた道路などを掃除しているのだ。まだ朝の五時を過ぎたばかりだ。
 うちの近所でも朝早く、駅の周辺を地区の何かしらの団体の人たちが掃除している光景を見かける。今台風の明けの駅前を掃除してる方々もこれまた豊島区の何かしらの団体の人たちなんだろう。
 今日は大型台風明け、駅前の汚れっぷりったら話にならない。
 そんな中、老人のみで構成されたその団体は無心に掃除に励んでいる。なんだか手伝いたくなったが、私が行ったところで邪魔になるだろうし、それに今の私はホッペ腫れ怪人なのだ。
 本当に邪魔になるだろう。

 なんだかその光景見ているとホラー映画が少し馬鹿らしくなった。所詮、映画は映画だ。
 誰かが掃除や手間をかけないと汚れたものは汚れたままなのだ。ほっとけば綺麗になるだろうなんてことは無い。こんな朝早く、老人たちが誰に見せ付けるわけでもなく駅前を掃除している。少しだけほんのちょっぴり感動した。


 まあ、老人だから朝が早いのもあるんだろうけどさ。


  見掛け的にはゾンビに一歩近いな・・・、


 って何言ってんだか!






***「暗闇に八時間近くいたけど楽しかった」***





 で食べる機会の無かったおにぎりと電車で一緒に帰ったよ。






じゃあ、また!



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