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タイトル |
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first update |
何も売ってないコンビニ |
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2005 08/27 | |
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皆さんは「いつもの!」で通じる店をお持ちだろうか?
仕事柄クロネコメール便を利用することが多いんだけど、そのメール便を出す際によくセブンイ●ブンを利用している。元々クロネコメール便の送料なんて五段階しかないわけで、いつもだいたい出す物の送料が同じだったので、もういちいち毎回重さを軽量しなくても顔馴染みのオーナーから「いつもので?」と言われれば、「いつもので。」と答えて決まった送料を払っていた。事前に家で重さは量っていたので送料も私には分かっていた。
複数のメール便を出さなければならないときなど、いちいち店頭で全ての重さを量られ送料を出されていては時間がかかるので、「いつもので。」で済むそのセブンイ●ブンの店を重宝していた。
していたんだが、
***「いつもと様子が違う」***
ある日いつも通りにそこに立ち寄ると、何かいつものコンビニの様子と逸脱した違和感を感じる。
店内に入ってみれば・・・。
***「立ち読みはご遠慮下さいのレベルじゃない」***
無い。
***「どこの家の冷蔵庫だ?」***
無い。
***「明日の朝ごはんか?」***
無い。
***「バックヤード丸見え」***
無い。
***「パン一個」***
無い。
***「洗った後の食器を置くとこじゃないよね?」***
無い。
***「ロックアイスにこの待遇」***
無い。
***「ことごとく物が無い!」***
別に、
棚卸中の店内に入ってしまったとか、
商品総入れ替えの店内に入ってしまったとか、
近辺で花火大会が集中的に行われてしまったとか、
複数の強盗団にたて続けに来訪されてしまったとか、
稀に見る大型台風で全ての配送トラックが来れてないとか、
うっかりミスでバックヤードの商品が全焼してしまったとか、
虻を持った小僧と店の商品全てを交換してしまったとか、
コンビニのドアを開けてしまった時点で違う世界に踏み入れてしまっていたとか、
正直者にしかどうとかの問題になってしまったとか、
24時間営業の25時間目に来てしまったとか、
王様一団がお買い物に来た後だったとか、
無性にお腹が空いた一団が来た後だったとか、
大きなネズミの大家族がやって来た後だったとか、
震災対策にオーナーの非常袋に物を詰めた結果とか、
衆議院選挙に向けてとある事務所が立ち寄ったとか、
「売り切れ続出!」を味わってみたくなった結果とか、
誰かへ恩返しのため傘地蔵が持って行ってしまったとか、
オーナーの売る気が無くなったとか、
オーナーのやる気が無くなったとか、
オーナーの好きな娘がたくさん来た(無料であげた)とか、
オーナーのニート化とか、
フランチャイズから独立してみたとか、
「コンビニってなに?」という点に戻ったとか、
どうにかなった、
とにかくお金持ちが来た後。
何はともあれ、上の「どうにかなった」だけは合っていることに間違いないだろう。どう見てもこの現状は普通のコンビニじゃないものね。どっちかと言うと、陳列棚売り場だよ。
でもそんな謎もすぐ解決されることになる。

***「普段見かけない貼り紙がある」***
普通に日本語の授業を受けた日本国民なら難なく読める二字熟語。
店を経営するものなら出来ることなら使いたくない二文字。そしてそれは辿り着きたくないゴールで待っている二文字。
***「だそうです」***
「8月22日 閉店」とございますが、ええ、22日当日の夜ことです。
昨今コンビニの閉店なんてそんなに珍しいことじゃないけど、コンビニが閉店するその当日に鉢合わせてしまった。カメラを持っていたのも何かの引き合わせに違いない。しかも「PM11:00」で閉店とのこと、もうすぐじゃん!?
なんなんだ、このカウントダウンは!?
年越しカウントダウンなどのイベントに参加したことあるけど、それは何か新たな気持ちで華に向けて行われるアッパーなカウントダウンなもの。しかし今いる空間のカウントダウンは明らかにその先に「ハッピー●●」なんて歓声交じりの言葉なんか飛ばないよね。
いつもの感じでいつものコンビニに入ったら全くいつものと状況が違う。
そうそれは、
朝顔の種を蒔いたらサボテンが生えてきたようであり、
黒生ビールかと思って飲んだら実はペプシだったようであり、
バスに乗り遅れたと思ったら直ぐ同じ行き先のバスが来たようであり、
雨の日に紫陽花の上にカタツムリがいると思ったらアンモナイトだったようであり、
「間違いない」と言っていた人が大間違いをしていたようであり、
鯛焼きかと思いきや店先に「鯉焼き」と思わぬこだわりを見付けてしまったようであり、
「スキトキメトキス」が逆さに読んだら実は読めないことを知ってしまったようであり、
恋の呪文よりぶっちゃけ金とブランド物だなと悟ってしまった日のようであり、
夜な夜な首を絞めてくる霊が実は父親の生霊と知ってしまった日のようであり、
彼の言う「ストリート育ち」がただの寂れた商店街と知ってしまった日のようであり、
しかも肉屋の息子だったようであり、
八景島にタマちゃんが現れたと思ったら海坊主だった日のようであり、
お正月に「鏡割り」と称して本当に鏡が出されてきた日だったようであり、
しかもそれが三面鏡だったようであり、
メイド喫茶に行ったら筋金入りのこの道50年のベテランメイドしかいなかったようであり、
フリーペーパーかと思いきや裏に小さい字で「100円」と書かれていたようであり、
カブトムシかと思いきや気持ち大きめのカナブンだったようであり、
リサイタルかと思いきや剛田雑貨店の備品リサイクルだったようであり、
ガキ大将の趣味が案外少女趣味でスカートのフレア具合にうるさかったようであり、
公園でスズメに餌をやっているとスズメに紛れてコンドルがいたようであり、
「イヤよイヤよも好きのうち」とか言ってたら本当に嫌がられてたようであり、
玉子焼きにネギが入っているかと思いきや実は細かく切った緑色の紙だったようであり、
「L・O・V・E」の次に「ラブリー●●」と言われ、「lとyは?」と思ってしまったようであり、
手足をバタつかせると「ジタバタ」という音がするのは自分だけと知ってしまったようであり、
ウォーターベッドかと思いきや実は中には大きなコンニャクが入っていたようであり、
知らない間に妻に多額の保険金を掛けられていたのを知ってしまった夜のようであり、
デーモン一族と融合したけど目の淵が黒くなっただけで前と変わらなかったようであり、
昼寝から起きて「もう夜か」と思いきや、目にガムテを貼られてしまっていたようであり、
お弁当の真ん中の梅干がやけに大きいなと思いきや実はプチトマトだったようであり、
「うる星やつら」の主人公に子羊の肉が出てきたようであり、
「通信簿オール5!」と、実は10段階だということを親に告げずに小学校六年間通し切ったようであり、
入院中にクラスのみんなから千羽鶴をもらったが、よくよく見れば鶴の羽の部分全てにカミソリが仕込んであったようであり、
しかも折られていた紙全てがユー●ャンの折込チラシ。
ともかくだ、そりゃ閉店の夜なら店内に商品が陳列されているわけないよね。
いつものようにクロネコメール便を頼もうにも、これではもうヤマト運輸のトラックはこの店の前で止まることなんてないんだろうに。
ああフランチャイズ下の経営者の苦悩なんて私には計り知れないけども、定額方式・歩合方式・分配方式あれど年貢こと毎月のノルマが達成出来なかったのかな。増えすぎたコンビニがある程度淘汰されつつあるとは思っていたけども馴染みの店がこうなるとは。
でもね、いつかこんな日が来るんじゃないかなとなんとなく思っていたのよ。
だって半年前に左隣に大型スーパーが出来たんだもの。
よりによってコンビニの隣にスーパー。
しかも夜11時までやってるし、向こうには駐車場もあるしね。
このスーパーさえ建たなければ、こんな日を迎えることもなかったんだろうに。別にこの周辺には他にコンビニもなく、このスーパーさえなければ、駐車場が無い面はマイナスだけど主要道路にも面しているし、マンションの一階でもあるし立地的には問題無かったはずなんだけどなあ。モロに強敵がお隣に来ちゃったんだもんなあ。そりゃあ売上げがガタ落ちしちゃったりなんかしたんだろうなということは一般の客の私でも用意に想像がつく。そこのコンビニが数店舗入るだけの大きさのスーパーが隣では扱う商品の数も桁違いだし、ましてやそんな状況下で定価で物売ってたら勝てないはずだよ。でも売らないと利益も出ないわけだし一種の悪循環だよね。
猫も杓子もヤンキーもそちらに行くわな。しかもスーパーの二階は朝までやってるファミレスになっており、ますますヤンキーならそちらに行くってなもんよ。
隣に大型スーパーと某大型ファミレスチェーン店。それが左隣で右隣も大手飲食チェーン店が建っている。言ってはなんだけど、敵わなかったんだね。
私もメール便を送るのに利用する以外たいしてそこで買い物しなかったしね。しかもクロネコのメール便をここで頼んだところで店の利益なんか無いに等しいはずだったろうに。
いやしかし普段コンビニに行けば普通に陳列されている物という物が、ある日急に無くなってしまっただけで非日常的な世界になってしまう。普通にあるものがないだけでこの違和感。
バイトで新規オープンの店の手伝いなどはしたことがあるので、商品の並んでいない陳列棚というのは今まで何度か見たことあるけど、いつも来店していた店が急にこうなってしまうと戸惑いが隠せない。これはもう店であって店ではない。
店には悪いけど、遊園地のアトラクションの一つの空間にでも入り込んでしまったかのように、なぜだか笑顔もこぼれてしまった。まるで「コンビニハウス」とでも呼べばいいのだろうか?
オーナーの方に目をやれば近所の人に話しかけられ苦笑いをしている。こうゆうとき城の主として男ってどんな顔を返せばいんだろうね。夢を持って出航したはずの船出の結果がこんな座礁のような形で終わってしまったとき、どんな顔をすればいんだろう。この世界、星の数のようにお店がオープンしているけど、それと時同じく閉店する店も多々あるわけで、希望に満ちた人たちと紙一重で悔し涙を飲んでる店主さんもいっぱいいることになる。
目指してた新大陸はこんなはずじゃなかったはずなのに、しょうがなく航海は中止。
誰が悪いとか誰の責任だとか一概には言えないけど、そこでは向いてなかったということだよ。なに、大変だろうけど生きてる限り船は幾らでも立て直しが利くはずだ、船長なら海の上で泣くな。
しゃかりきコロンブスだろ!
店内は「今まであんたらもっと来てたらなんとかなったかも・・・」という客入り。それに賄うだけの商品が店内には無いけどね。常連さんというか近所の人らと思われる方々はオーナーのところに集まっている。私はスクールウォーズでも見ているのか?
もちろんこのいつもとかなり違う状況を楽しんでいる若い人らもちらほらいる。
コンビニってもっと商売ライクなところなもんかなと思っていたが、なんだか常連のお客さんたちのオーナーも含め店に対する親しみが籠もった愛情にも似た想いを感じた。私の知らない所で結構この地域に根付いていたんだなあ。
そうだよね、私にとっても「いつもの」で済むコンビニだったものね。誰かにとっても「いつもの」コンビニだったんだなあ。
写真を撮るのもなんだか気が引けたので、入りを自転車の数で・・・。
***「これがオールウェイズだったら・・・」***
微妙な笑顔をしているオーナー。私もね、一応顔も憶えてもらっているわけで声の一つでもかけようかなと思ったけど、こんなバイトと変わらないような若造がなんて声かけりゃいいんだ。明らかに一回り以上歳の離れたオーナーに「残念でしたね〜。」も失礼なような気がした。
「向こう行っても元気でね。」というのは今の状況的にはピッタリなのだが、私が言うのもなんだかね。にしても「向こう」ってどこだ。でも駅のホームで転勤かなんかで一人列車に乗った人を小さな課のみんなで見送るような匂いがしている。
私は武田鉄矢氏の「3年B組金八先生」シリーズよりは「刑事物語」シリーズの方が好きなんだが、ここはやはりなぜだか「贈る言葉」が何処からか聞えてきてしまうな。「あんたが大将」よりもちろん「贈る言葉」だろう。暮れなずむというかもう真っ暗な時間だけどね。
***「思い出をおきざりに」***
う〜ん、しかしここで安直にいい話風に持って行きたくないのでバラしてしまうが、ここでセブンイ●ブンがつぶれたところで、私の家の近所にはまだセブンイ●ブンがある。なんならここの店より全然近いところに。 今回つぶれてしまうこの店までが徒歩10分そこらだとしたら、近所のセブンイ●ブンまでなら徒歩3分ぐらいの距離だ。不動産屋の距離感で言えば徒歩一分だ。
しかも駅を渡ったところにもセブンイ●ブンがある。そして言ってしまえばそこのバイトの女の子はかわいい。これは大きなことだぞ。
それに店にこだわらなければコンビニは徒歩一分圏内にミ●ストップとa●pmがある。
・・・確かにコンビニって近距離範囲内で客の取り合いの状況下にあるのね。
そもそもここのセブンイ●ブンでメール便を出していたのも、隣の大型スーパーで買い物するときにその横にあったからだ。シビアな話になってしまうが、夜になればスーパーの惣菜はお買い物の神様のシールにより半額扱いになるのだ。これは石油王でもない普通の生活をしている私にとっては大きな話なのですぞ。そりゃコンビニでわざわざ買わないよね。言ってしまえばただでさえ安いのにさらに割引されたら、もう普通にコンビニの方には行かないよね。
そりゃつぶれるわ。そこのセブンイ●ブンがつぶれるのに私も遠からず貢献してしまったようだ。
かける言葉など無いよ。
「やっぱり隣のスーパーですか?」と核心を突くのも鬼というものだろう。
それに・・・・・

***「例の貼り紙のアップ」***

見た?

***「手書きのメッセージ」***

かける言葉無いよ。
そんな表情されたら、ますますかける言葉失っちゃうよ。
もう分かったから、分かったから、ともかく今までありがとう。
それからお時間の11時になり、唯一残っていた一人のバイト君とオーナーが「今までありがとうございました。」と深々とおじぎ、店内に残っていた常連さんたちからは拍手が。
あんたらいい笑顔してるよ。おっとこ前だよ。
なんだか不思議空間に迷い込んでしまっているな。彼らは別に命からがら2tのダイナマイト&鎖による幾十にもよる拘束から見事抜け出したマジシャンでも無ければ、24時間マラソンを走り続けた無理やり感動&完走者でも無い。言ってしまえば店をたたむことになった残念さん。
でもこの温かい拍手喝采。いいもの見せてもらった。私も思わず小さく拍手。
今回の体験は私の中のコンビニに対する考え方がちょっと変わってしまった。大手フランチャイズだって、やはりそこらの小売店と変わらないんだよね。客商売、お客さんに愛されてなんぼ。大型ショッピングセンターも増えて昔ながらの小さな店もどんどん店をたたんでいる、全国の商店街なんかも寂れきってしまっているところが多数だ。コンビニだって私の地元に増えた当初は随分ワクワクしたものだが、コンビニも既に昔のものになってしまったのかな。
時代の流れは早くなってしまう一方だけど、小さな店だからこそ出来るお客さんとのつながりってあるのかもしれない。でもねやはり商売は商売だからね、難しいところだ。
次の日・・・、

***「もう何屋か分かりません」***

早いよねぇ。 ここの場所の記憶なんていざ知らず、次はどんな店がここに来るんだろう。
・・・またコンビニなら大笑いするとこなんだけど。
にしても「いつもの」の店が無くなってしまったのはやはり寂しいよ。
ほんのチョットのロンリネス。
じゃあ、また!
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