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タイトル
Page3


***救いの手に見えない***






 いつものごとくエサに一点集中している内に玄関の方にまわろう。

 おっと、その前に私は素手であの猫を掴むつもりか?
 ネズミ捕りシートの糊はブサ子の体中を覆い尽くしている。明らかにベトベトしているに違いない。そんなブサ子を素手で捕まえたところで何かが全て固まってしまわないだろうか?
 ミイラ捕りがミイラになってしまうことだろう?
 ていうか二次災害?

 駄目だ、駄目だ。
 大概、事故現場などの被害者は救急隊員の持ってきた毛布などに包まれているものだ。ならば、ブサ子をタオルで包んでしまって風呂場まで護送しよう。多分、そのタオルは一度使ってしまえば人生を真っ当するに違いない。では捨ててもいいタオル・・・、新品だけど信金のタオルでいいな。

 それではと、タオルを持って玄関を出て庭の方にまわる。あんまり足音立てるとエサの効力でも押さえれずに逃げられてしまう。いかんいかん。やけに緊張するな。遥か昔、狩猟民族だった頃の人間の気持ちってこんな感じなのかな。相手、猫だけどね。

 室内の明かりと共に縁側の辺りが見えてきた・・・。
 こちらの気配なんて何のその、無心に食べ続けている子猫たちがいる。
 おいおい、せめて親猫のぽん太ぐらい私に気付けよ。本当に野生のソレが薄れているというか人間社会と密接した猫たちだね。

 タオルを広げて近づく。
 これからどんなに大変か、考えただけでも気負いがする。
 もう手を伸ばせば捕まえれる距離まで来た。なんだか本当に悪いことでもしようとしているみたいな光景だ。
 さすがにと言うか、やっとこさぽん太もこちらに気付くけど「なに?」って顔してる。お前も手伝えよと言いたい。

 ブサ子はこちらに気付くことなく、背中のピンク色のネズミ捕りシートを揺らしながらエサに喰らいついている。

 ではやりますか?はあ。エサを喉に詰まらせるなよ、ブサ子。




 ふんが!!





 ぴぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!











 夜の闇に轟く悪魔の声。
 タオルの中に悪魔のような声で鳴くベトベトする動物がいる!

 うおおおおお、暴れる、暴れる、こんな活きのいい魚釣れるものなら釣ってみたい。

 うおおおおお、凄い力。こんなに細くて小さい体なのになんだこの力は。

 うおおおおお、爪、爪、爪、爪刺さってる!!!!

 背中から抱え込んだのに暴れてこちらに向いて思いっきり私の手に爪立ててる。思いっきり刺さってる。研ぐな、研ぐな、研ぐな、私の手で爪を研ぐな!!

 正に力と力のぶつかり合い!
 こげな小さな体に負けてたまるか、今逃がしたら、ネズミ捕りシートとタオルを背中に背負った猫として、よりヘビーな人生を負わすことになる。
 助けてやる!だから爪抜いて!!別に煮て食おうとしてるんじゃないんだし。
 痛い、痛い、ものごっつう痛いけど、とりあえず風呂場まで連れていかねば。
 両手はブサ子を抑えるのでいっぱいいっぱいなので、足で縁側のガラス戸を開ける。
 部屋に駆け上がり、そのまま風呂場へと向かう前に、おっとっとっと、ここでガラス戸を開けっ放しにしておくと他の猫たちも「なんにゃ?なんにゃ?」と入って来てしまうことになる。そうなったらもう手のつけようのないお祭り状態になってしまうので、風呂場に直行したい気持ちを抑えて振り返り、足でガラス戸を蹴り閉める。その瞬間、ぽん太と目が合う。我が子の断末魔のような叫び声に何事かと心配そうな顔してる。さすがに親だな、ごめんね。他の子猫たちは明らかに怯えている。
 ああ悪者扱いでいいさ。分かってくれなくてもいいさ。感謝されなくてもいいさ。理解者なんていらないべ。ふんだ。


 よっしゃぁぁあああああああああああああ!風呂場までダッシュ!
 今までどんなに腹を下してトイレに直行する際でもこれほどのスピードで家の中を駆け抜けたことはない。

 風呂場!  風呂場のガラス戸は開いている。悪いがブサ子をタオルごと放り投げた!
 そしてすぐさま見事に猫着地をしたブサ子は物凄い勢いでこちらに突進して来る!出してたまるかとこちらも物凄い勢いでガラス戸を閉める。ガラガラビッシャーン!!










 ・・・・・・・・・・ふう、一度落ち着こう。

 にしても痛い!




***簡単リストカット(ためらい傷)***




 ブサ子を運んでいるときは、こちらも脳内麻薬ことドーパミン大量放出だったため大丈夫だったが、一息ついてみると腕痛ーーーーーーい。なに?どんな猛獣を捕獲したの?傷だらけになってしまった。ブサ子をなめてたな。
 あんな子猫のどこにこんな力があったんだか?やばいな、このまま不良化させてしまったら手の施しようのないワルが育つところだった。

 ネズミ捕りシートごと悪の根は摘まねば!!
 にしても痛い。野良生活のブサ子達の爪はバイ菌たっぷりっぽいな。傷元が後で腫れてしまうことだろう。蜂蜜採るオジさんたちが着込んでいるような腕までの厚手の手袋でもはめれば良かったな。まあブサ子にも私にもそんなに時間が無いわけだし、実家なんで普通の手袋さえ何処にあるか分からない。

 風呂場からは引き続き、潰され上げたブーブークッションの改良版みたいな叫び声が聞こえる。
 こりゃ近所まで丸聞こえだな。




 とにかく本当に大変なのはこれからだ。
 一度コーヒーでも飲むべく居間の方に戻る。縁側では相変わらずぽん太がこちらを心配そうに伺っている、なんなら前足をガラス戸に伸ばしている。そうか、猫だろうと子を想う親の気持ちは変わらないな。
 待ってろ、おっちゃんが無事返したるさかい。
 その前におっちゃん腕を水で冷やしていいか?腕の傷がめっちゃ熱いねん。軽く化膿してるんかいな?


 後にぽん太の手を借りることになるとはこのとき微塵にも思っていなかった。







 気を落ち着ける意味合いと気合一発の意でコーヒーをグイっとな。

 やるか!やらないとどうしようもない!


 また風呂場に戻る。ガラス戸の向こうでは相変わらず未知なるもののけの遠吠え。
 風呂場のガラス戸を開ける前に洗面所のドアを閉めて密室にしておかないとね。下手して家ん中を駆け巡る青春されたらもう終わりだ。それはもう本当に終わりだ。そうなったら何事も無かったかのように東京に帰るよ。

 それともう一枚信金のタオルを用意する。というのも最初にブサ子を捕獲した際のタオルはブサ子本体に引っ付いてしまい一体化してしまっているからだ。
 やばいな、雪だるま式にブサ子が大きくなってしまったらどうしよう。家中の信金のタオルというタオルを体に取り込み、気がつけば軽くビートル車並の巨体になってたりよ。
 摘まねば!!

 そして私はブサ子を洗うべく、裸になる。マッパだ。マッパGo!Go!Go!だ。
 もう爪を防ぐものは何もない。裸と裸のぶつかり合いだ。野生と野生の戦い。私の野性の証明かつ、人間の証明をしてやる。ママァー、僕の麦わら帽はどこに行ったのでしょうね(分かる世代だけで良い)。
 もし急所に爪立てられたら死ぬしかないな。
 股間に猫の爪立てられ者として一生重い十字架を背負っていかねばならない。腰を引き気味体制で行くか!?股に挟んで疑似女の子状態でもいいな。とにかくレッツらゴンだ!


 ではいよいよオープン・ザ・ドアと行きますか?
 ラガーマン十人くらい後ろに欲しいよう。ってうちの洗面所にラガーマン十人も入れたらもういっぱいいっぱいだ。
 うわああああ、正直怖ええ。




 少しだけ開けてみる、ガラリ。
 風呂蓋の上で遠吠えをしているやけに着込んだ猫らしき動物がいる。ブサイ!

 あっ、こちらに気付いた!恐れることもなく出口と気付いたブサ子が叫びながら突進して来る!!!!

 ぷぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!


 速え!!タオルでナイスキャッチ!・・・・・・・・あまりの唐突さに変な形でキャッチしてしまった。力強い。掴み切れてない、掴み切れてない。またしても爪痛い、爪痛い、爪痛い!!



 あっ、逃がした!



***子猫ダッシュ!***




 洗面台の方に向かったブサ子は足の裏にも糊が付いているんじゃないかと思うほど、垂直な洗面台を登り上げ歯ブラシやコップやその他のもろもろをぶちまけ、挙句の果てにタオルなどが入っている棚にジャンプして、整髪スプレー缶なども次々に落としてくれた。

 駄目だ、正にネズミ捕りシート背負ってるだけにネズミ花火みたいだ!!なんて言ってるヒマもなく、一瞬で洗面所は惨劇の場と化した。正に小型の嵐が走り抜けた。

 渾身の力を己の脚力にかけたブサ子は狭い洗面所をぐしゃぐしゃにした挙句、洗面所と洗濯機の間にある棚の後ろに逃げたのであった。


 とてもじゃないけど手の届かない場所へと。
 









Page4こと、ブサ子再捕獲作戦。






 
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