ここでおしっこタイムです。今まで行ってなかったのが不思議な位、時間をかけたとは言えそりゃコーラをジョッキで飲んだんだもんね、出るもんは出る。おしっこタイムまで報告するのもどうだか。 部屋から薄暗い廊下に出るとなんだか心許無い感がある。今までずっと占拠していた部屋から不意に現実に戻された感じだ。

***ここはどこだ***
相変わらず他の部屋では誰かが歌う何かしらの曲が聴こえる。
そちらは中の住人が一人トイレに行ったくらいでは何も問題無いだろうが、こちらは一人出て行っただけで室内に人の姿は皆無となる。空室と化してしまうのだ。誰もいない部屋の中では淡々とカラオケが流されているのだ、どうだ怖いだろ。
にしても他の部屋で聞こえてくるこの曲、はて、なんの曲だったかな・・・?ああ、狩人の「あずさ2号」じゃん。 ドア越しに覗く訳にも行かないので声から想像すると中年のオジさんと思われる歌い手は、今は無き列車のあずさ2号を大熱唱されている。そうか、何か思い出でもあるのか否か、恋人を置いて列車に乗ったとか、ただ単に乗り遅れたとか、車内販売のボッタクリサンドに腹が立ったとか。
歌いなさい、歌いなさい、想いを乗せてどこまでも発車オーライ、出発進行!
同じ部屋にいる人たちってどんな顔でオジさんを見ているんだろう。気になったが覗く勇気など無い、ましてやカメラでパチリなんて到底無理。さっきから思い切り防犯カメラが真っ直ぐ廊下の光景を捕らえているのを私は知っている。私もモロ映りだろう。
覗きで企画失敗なんて酷いオチは嫌なので、普通にトイレに向かう。
オジさんも一人きりだと大笑いだね。
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